「これまでの人生でいちばん心にのこっている絵本」について書く、
というご依頼をいただいて書いた記事です。
息子が生まれてからはいろいろな絵本を買い込み、
小学校ではよみきかせの会を立ち上げたこともあり
さまざまな絵本に出会い、たくさん好きな絵本があるのですが。。

「自分がこどものころ出会った心に残っている絵本」といわれると
実はあまりありません。

それというのも幼い頃は非常に皮肉っぽい子ども(笑)だったため、
家にはたくさんの絵本があったというのに
絵本を楽しむ素直さがなかったというか、なんというか。
どちらかというと、拒否感が強くありました。

そんな皮肉屋だった私の心の中にすうっと入り込んできたのが
ワイルドの「幸せの王子」。
全文がこちらで読めます。
http://www.hyuki.com/trans/prince.html


波瀾万丈の人生をおくった作者のワイルド、
彼が何を考えて生きていたのかということにも興味があり、
大人になってからも身近な絵本となりました。

幼い頃感じた事が、過ぎていく長い年月の中でも消えずに残り、
大人になった今もなんらかのかたちで自分の中に存在しつづけ、
そして時には全く別のものに変化しているーーー。
そういうものを自分の中に見つけると、
なぜか気持ちは満たされていきます。
立秋も過ぎる近頃、夕暮れに吹いてくる涼やかな風。
季節の移り変わりを感じるこころ穏やかなひとときですが
その時こころの奥で感じる気持ちと
なぜかとてもよく似ているような気がします。





スキャン 5phpのびのび子育て3月号
おもいで絵本のコーナーより